廃寺・無住寺院を訪ねて
ここでは、島根県邑南町やその周辺市町村にて、廃止、もしくは無住となってしまった寺院を紹介しています。
満行寺(邑南町 旧石見町 井原)
浄土真宗本願寺派 大林山 満行寺
開基は天正八年と古い。「大林山」とは、元は大林(瑞穂地区)にあったことを示している。
石見町誌によると、口羽・琵琶甲城主である口羽通良の次子が出家し禅僧となり、石山合戦の際に毛利元就に従い兵糧を本願寺に運び顕如上人に謁して浄土真宗となり、阿須那に西蓮寺を創立。二子があったので長子は西蓮寺を継ぎ、次子宗立は一庵を田本に創立し、天正八年に出羽大林村に移って満行寺を建てた。
その宗立は准如上人の弟子となり、慶長10年本尊ならびに寺号許可を受ける。
大林銀山の衰えと共に、井原村の檀家普明寺又右衛門の懇請によって寛永年中に井原へ移り、寛文年中に現在の所に定めたという。
よって住職は「口羽」姓を継いでいる。
『連合艦隊』などの映画監督の松林宗惠氏が小学生時代をここで過ごしたことで知られる。現在、住職は都会に出ており、実質無住。鹿賀の福泉寺が管理している。
立派な鏝絵の本堂と、城郭を思わせるような楼門は、まさに口羽氏の流れを汲むようで、井原地区のシンボルとも言える。
満行寺の位置(Googleマップ)
井戸正明碑(芋塚)
大林の元跡地
以上、撮影は2021年4月
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