邑南町の観光名所、歴史の紹介
ここでは、島根県邑南町内にある歴史スポットや観光名所などを紹介しています。
映画監督・松林宗惠と邑南町
昭和を代表する東宝喜劇映画『社長シリーズ』や、戦争映画『連合艦隊』『人間魚雷回天』などの映画監督で知られる松林宗惠氏は、邑南町にゆかりのある方なので、ここに紹介いたしましょう。
松林宗惠氏は、大正9年(1920)に邑智郡桜江町(現江津市)の鹿賀・福泉寺に生まれました。その後、井原村(現邑南町井原)の満行寺に移り、小学校時代を井原で過ごしました。

旧桜江町鹿賀にある福泉寺

  井原の満行寺

昭和初期の井原小学校
 松林氏と邑南町との関係は以上でして、小学校卒業後は広島新庄中学校へ入学、広島へ出て、大学は龍谷大学に進み、その後東宝に入社しました。
 せっかくですので、松林氏にについてもう少し紹介しましょう。
 太平洋戦争中に海軍第三期兵科予備学生となり、昭和19年に海軍少尉に任官。中国アモイ島の陸戦隊長となります。
 終戦後は再び東宝に戻り、森繁久彌主演の『社長シリーズ』をはじめ、戦争経験から『人間魚雷回天』『潜水艦イ-57降伏せず』『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』『太平洋の翼』などの映画監督を勤めました。
 特に昭和56年(1981)の『連合艦隊』では、当時としては破格の制作費10億円が投じられ、その年の興行収入・動員数ともに第1位を記録して大ヒットとなり、松林監督の代表作品となりました。
 平成16年(2004)には、故郷である桜江町の「水の国」施設内に「松林宗恵映画記念館」が設けられ、監督の作品やゆかりの品などが展示されています。
 ※平成30年3月31日(土)より休館となりました。

水の国ミュージアム
JR三江線沿線にありながら駅から遠いハコモノ

水の国施設内の「松林宗恵映画記念館」
監督の作品ポスターと台本がずらり

『人間魚雷回天』
主演は岡田英次、木村功、宇津井健など

『潜水艦イ-57降伏せず』
主演は池部良、三橋達也、平田昭彦など

『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』
  主演は小林桂樹、三船敏郎など

松林監督が使用した台本も一緒に展示されています

監督の代表作『連合艦隊』

『連合艦隊』のシナリオ。
「松林」のサインが

展示室には監督の写真やゆかりの品が

ミニシアターでは予告編の上映がなされています

『連合艦隊』では特撮用に戦艦大和の巨大な模型が作られました

松林監督が使用したディレクターズ・チェアがあります。

『連合艦隊』の戦艦大和をバックに、座ることができます
この施設最大の萌えスポット

撮影用カメラは、実際に使われたもの

かなり年季が入っています
 『連合艦隊』は今でも高い評価を受けており、作品の詳細については次ページ「松林宗恵監督の代表作映画『連合艦隊』」をご覧下さい。
 松林監督は平成21年8月15日に89歳で亡くなられており、生家である福泉寺には監督の墓があります。
 邑智郡桜江で生まれ、井原で育った松林監督。その作品には少なからずとも、故郷で育んだ感性が生かされていることでしょう。

福泉寺にある松林宗恵の墓
寺の裏手を少し登ったところにあります

墓には監督の写真と言葉があります。
>>(次ページ)松林宗恵監督の代表作『連合艦隊』とは
(撮影:2015年9月)
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