島根県邑南町の城跡

邑南町の観光名所、歴史の紹介

ここでは、島根県邑南町内にある歴史スポットや観光名所などを紹介しています。

余勢城の処刑場? 段原「ドウショウ坂」の首切塚

 邑南町中野の段原には、とんでもない恐怖のスポットが存在していた、というお話。

 その名も「ドウショウ坂」と「首切塚の大杉」。
 中野・西隆寺は余勢城城主の菩提寺としての歴史を持ちますが、その西隆寺の裏手に「ドウショウ坂」という坂があります。

西隆寺
西隆寺本堂(真言宗)

ドウショウ坂
ドウショウ坂


 この坂、今は舗装されて特に何の変哲もない坂道ですが、昭和前半には杉の木に覆われて昼でも暗く、まさに心霊スポットのような雰囲気があったそうです。
 その坂の突き当たりには、小さな丘があり、巨大な大杉が存在していました。
 現在、その大杉は枯れ果て、根元がかろうじて残っていますが、この大杉を「首切塚の大杉」と言うそうです。

 地元の伝承によりますと「余勢城多胡氏時代より罪人の処刑を行った場所である」とも「毛利軍に破れた余勢城の敗残兵が首を切られた場所」とも伝えられている、何とも恐ろしい場所です。
 ですから、地元の人でも通るのが怖く、通ろうか、通るのをやめようか、どうしようか、ということから「ドウショウ坂」と呼ばれるようになったとか。

 本当に、そんな処刑場であったのでしょうか?
 その場所を、ちょっとのぞいてみましょう。


坂の突き当たりの丘。
脇から登る小道があります。

首切塚の大杉
首切塚の大杉


大杉の根元は、丸くこんもりと塚状になっています。

五輪墓
そして、五輪墓がゴロゴロ転がっています!
 しかも黒色で気味悪い……

 そもそも、この丘は「ドウショウ坂古墓群」という遺跡名があるそうで、五輪墓の存在から、中世の墓場であったことは間違いなさそうです。

 ドウショウ坂に眠るのは、かつての罪人なのか、敗残兵なのか……それは分かりませんが、なにせ不気味なスポットであることには間違いなさそうです。

(2012年4月)

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